【2012冬合宿レポート】
吉野分支部 分支部長 武田健司
2月11日・12日、奈良支部は淡山神社にて、毎年恒例の冬合宿が行われました。
淡山神社は歴史が古く、大化の改新発祥地で、藤原鎌足公が御祭神です。
四季折々の美しい姿を見せてくれる淡山神社。春と秋に行われる、雅なけまり祭りは全国的にも有名で、とりわけ秋のけまり祭りでは見事な紅葉とあいまって見る者の目を虜にしてくれます。
また、大和七福神八宝霊場のひとつでもあり、福禄寿大神様も祀られており、地域のみならず、全国の多くの方々に親しまれています。
そのような素晴らしい神社にて、神廟拝観所において、淡山神社の宮司様に祈願祈祷を取り行って頂き、心身ともに清められた後、総勢170名の参加者が御神気の漂う淡山神社の境内に、気合いが響き渡りました。
その後、帯別に別れ、神社の地形を利用した稽古や、階段を利用したりと、それぞれの帯が合宿でしか味わうことのできない稽古に励みました。
野外稽古の後は宿舎に戻り、大浴場で入浴し、疲れを落とし、夕食。道場生みんなで頂く食事は格別に美味しく、楽しそうに食べる姿や笑顔あふれる会話をしている姿を観ると、心が温かくなりました。
屋内稽古では、一般部緑帯以上、少年部の茶帯による型の見直しが行われました。
上級者限定ということで、流石にほとんどの者が理解していたものの、細かな点での各々の相違点が確認でき、修正し、統一されました。
奈良支部としても、型の重要性を再認識し、先日行われた第1回型試合においても、期待の新人が輩出されてきています。これからも、こういう機会に定期的に型稽古を行い、奈良支部の型の上達の底上げを計って行きたいと、秦師範もおっしゃっておられました。
合宿2日目の朝は薄っすらと雪景色。木々や屋根に積もった雪と、すっきりと晴れ渡った青空の下、全員で行われた野外稽古。
白い息、引き締まった清らかな空気に自然と、やる気がわき上がってきます。
そして、午後からはいよいよ、合宿のメインイベントである滝浴びです。
滝浴びでは毎年、各道場が順番制で、おなじみの豚汁の炊き出しをして頂きました。
今年は吉野分支部の担当でした。保護者の皆様におかれましては、一週間前より打ち合わせを行い、前日、そして当日の朝から男性陣、女性陣に分かれ、それぞれが手際よく準備してくださいました。
ありがとうとざいます。
滝浴びはお神酒にてお清めをした後、師範を筆頭に黒帯から行われ、道場単位で順番に滝浴びを行います。
ちょうど滝浴びを行う時間帯の気温は、幾分寒さも和らいでいたのですが、滝の水はいつものように冷たく、身を切るような痛さで、思い切り気合いを入れないと、本当に心臓が止まってしまうのではないかという気持ちに襲われます。
それでも、みんな、懸命に気合いを入れ、己自身の心身の鍛練のため、精一杯の気合いを入れ、順に滝浴びをし、身も心も引き締められました。
無事チャレンジできた充実感に少年少女部の皆の表情は寒さに震えながらも、輝くものを放っており、心身ともにまたひとつ、成長を重ねた姿を伺え、嬉しく思いました。
滝浴びの後は温かい豚汁を頂き、普段何気なく頂いている者も、温かい食べ物の有難さを心から味わい、笑顔で頂き、『ごちそうさまでした』と、礼儀正しく、炊き出しをしてくださった保護者の方々にお礼の言葉を言っていました。
子どもの成長段階にて、このようにめったにできない体験は、本当に素晴らしい経験で、かけがえのない宝物だと思います。
滝浴びもそうですが、奈良支部の冬合宿では普段の生活ではなかなか体験できないとても大切なことを学ばせてもらえます。
参加した道場生は多くの貴重な体験をし、これからの空手修行、そして、普段の生活に活かして欲しいと思います。
今回、参加できなかった道場生も合宿という貴重な体験をぜひして頂きたいと思います。
秦師範はじめ、分支部長、黒帯のみなさん、大所帯の引率、本当にお疲れ様でした。
また、炊き出しでお世話になりました吉野分支部の保護者の皆様、そして沢山の柴の準備と、みんなの暖を取るために御尽力くださった桜井の近澤様、本当にありがとうございました。 押忍 |