昇段審査レポート
吉野分支部 武田 健司
5月6日 橿原南和本部道場に於いて昇段審査が執り行われました。
今回の審査は、天理道場の日置正恵一級と南和本部道場の堂園美里一級、山本直緒一級の三名でした。
午前9:00より筆記試験が行われ、その後昇段審査の必須項目である「極真への道」を読んでの感想文を一人ずつ発表しました。それぞれが感じたことが良くわかる内容で良かったと思います。
続いて実技審査ですが、昇段審査はただ動作を審査されるだけでなく、技の説明や指導の仕方に至るまで審査対象になります。緊張感がこちらまで伝わってきます。
体力審査では、日置一級は年齢、堂園一級、山本一級は女子というハンデがありながらも通常の規定回数を懸命にこなしていました。
少しの休憩を挟み10人組手の審査が始まります。
先ずは日置一級。46歳という年齢での10人組手は過酷の極みです。みんなが心配しながらも組手ははじまりました。
序盤はまずまず自分からも突き蹴りが出ていましたが、中盤にさしかかったあたりから攻撃をもらう場面が多くなり、終盤になると相手に背を向けることもあり、師範からも激がとび中止寸前というところでしたが、なんとか10人を完遂しました。
次に堂園一級ですが、女子という事でこちらも心配していましたが中盤を迎えるまでは手ごたえを感じました。・
しかし、後半に入りさすがにダメージが蓄積していたのか、ときおり涙する場面もありましたが相手の攻撃はとまりません。
手加減することがどれだけ相手に失礼かという日頃の師範の教えが伺えるシーンでもあります。そんな中でも、持ち前の頑張りで無事10人組手を完全遂しました。
最後に山本一級ですが、小柄ながらも数々の実績を持つ実力者ということで、どこまでできるかという期待の中、組手ははじまりました。さすがに序盤から快調にとばし動きも上々、このまま最後まで行くかと思われましたが、後半は10人組手の厳しさを思い知らされることになります。10人組手は進むに連れて相手の実力も上がってきます。ですから、後半の相手はほぼ黒帯を相手にしなければなりません。それでも歯を食いしばりながら頑張っている姿に自然と周りからも声援が飛び交い10人組手が終了しました。
極真空手の黒帯は、理屈抜き頑張った者のみが締めることが許される名誉ある帯です。昇段審査においても審査内容の何倍もの稽古を積んで来なければこなすことが出来ません。今回の受審者3名は十分にそのことを思い知ったと思います。そんな中、それぞれのスタイルでそれぞれの個性を生かし良く頑張ったと思います。お疲れ様でした。
押忍 |