世界一はなんと伊藤観世。
数年前には型をほとんど知らなかった19歳が、数々の型講習会を経て成長。
予選、決勝を通じて最も型に力強さが感じられた。
秋元主審は「伊藤選手は基本動作の質をより高めれば、
さらに完成度の高い型が演じられるはず」と新女王へエールを送った
-------HEROINE INTERVIEW 型世界女王は19歳の専門学校生-------
「獲ってしまったという感じ。本当に大事なのはこれから」
◆ 世界一になった今の心境は。
「全日本でも優勝していないのに、勝ってしまったという感じで、実感が湧いていません。本当に大事なのはこれからですね」
◆ 大会前はどんな準備を。
「父が分支部長なので(天理道場)では私と父しか指導出来ませんから、普通に少年部の指導と一般部の稽古に参加していたくらい。移動稽古のなかで動きを練ったり、稽古後に自主トレの時間を少し取って稽古をしたりしていました」
◆ 予選はどうでしたか。
「肩に力が入ってガチガチ。脱力することができず伸び伸びとした撃砕小を演じることができませんでした。だから予選を通過したときはホッとしました」
◆ 決勝までの心境は。
「(村上)志津香ちゃんの試合も見たかったし、フラフラしていたら父親に怒られました(笑)
1時間ごとにアップしてそのとき(決勝戦)を待っていました」
◆ 観空については。
「相手にどのように技をかけるかイメージし、自信を持って思い切り技を出そうと思っていて、やり切れたなとは思いました」
◆ 結果に正直驚きました。
「恥ずかしい話ですが、型をほとんど知らなかった時期もあったんです。講習会に出て少しずつ型を覚えていって、予選落ちも何度も経験してきて、動き方やバランスの取り方が少しずつわかってきた。昨年の極真祭で初めて予選を通過したんです。でも今回は『優勝するぞ、獲らなきゃ駄目だ』と自分に言い聞かせて臨んでいました」
◆ 型への取り組みが変わったきっかけは。
「色々なきっかけがこれまであったんですけど、本当に意識が変わったのは、福岡で開催されたアジア大会がきっかけで、木村(やす枝)さんの観空に感動してからなんです。今回私はあの木村さんの観空をイメージしてきた。だから会場で最後に挨拶させていただいたとき思わず涙が出てしまいました。色々な想いがこみ上げてきて・・・」
◆ 先輩たちを超えての栄冠です。
「歴代の入賞者の方と一緒に出場できて幸せです。高梨(清美)さんに試合場でアドバイスをいただいたり、岡本(早代)さんに誉めていただいたり。また柿沼支部長、成田支部長・・・。他にも知ってる人がちょっとずつ増えて心強いです。秋元師範には『完璧を目指してください』と言っていただいたのですが、自分は全然できていないのでプレッシャーを感じています(苦笑)。もっとしっかりできるように頑張ります」
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